前回の記事では、期待値が同じなら勝率は高い方が良いという事を主張させてもらいました。
この記事では統計的な意味で考えても、「期待値が同程度ならば、勝率が高くて1回あたりのトレードの損益率が低い手法の方が、勝率が低くて1回あたりのトレードの損益率が高い手法の方よりも期待値に近い結果になりやすい」という事を解説しました。
低勝率の高損益率の手法は、勝ちトレードが分散しすぎて、期待値とは遠く外れた結果になりやすいわけですね。だから、トレードを回数を重ねれば重ねるほど期待値に近づきやすい高勝率の低損益率(比較的に)の手法の方が安心してトレードが続けられます。
以上に加えて、もう少し個人的な意見を書かせてもらいたいと思います。
低勝率の手法って、やっぱり辛い・・・
私は以前勝率3割の手法でトレードしていたことがあります。
損益率は大体5.0くらいだったので、コツコツ負けて一気に取り返すパターンになっていたのですが、やはり勝率3割はキツイです。
トレードを30回も続ければ確かに勝率3割にはなっているんです。
でもその過程では負けが5回6回と続いたりして「この手法は本当に機能しているのか?」と不安になるのです。
更に負けが続いているときに「どうせ次も負けるでしょ!」と思ってエントリーを見送ると、それが本物のホームランってパターン、何度もありました。
それまでの負けは、いつか必ず来るであろう勝ちトレードのための肥やしになるはずなのに、勝ちトレードの時にエントリーできなかったらもう負けっぱなしになりますからね。
他にも用事があってトレードが出来ないときに限って大勝ちするパターン・・・。低勝率トレード手法を使ったことのある人にとっては「あるある」です。
ずーっと負けている気がする
人間と言うものは、嬉しかった経験よりも、辛い思いをした経験の方が強く意識として残るようです。例えば私が勝率3割の手法でトレードしていた時は、本当に「ずーっと負けてる気分」でした。
口座資金はトータルではプラスになっているのに、負けが続きすぎているせいで、「全然勝ってる気がしない」のです。
この傾向は勝率5割でも同じですね。
勝率5割だと勝ち負けが交互に繰り返すように思われがちですが、実はそんなことは無くて、勝ちが続いたり負けが続いたりが繰り返されます。
ですから、3連敗なんてこともザラです。
(勝率5割なら、12.5%の確率で3連敗になります)
「え?検証では勝率5割のはずなのに何で3連敗するの?」
そう思うと、異様に負けている感情になってトレード手法を疑いにかかるのです。現実は統計の中のちょっとしたブレに過ぎないとしても・・・。
多少期待値を犠牲にしても、勝率は高めに設定した方がトレードを続けられやすい
トレードで凄く重要なことは、優位性のある手法でトレードを続けることだと思います。
そう、ダイエットと一緒でトレードも続けることが大事なのです。
勝率が低くてモチベーションが下がって一貫したトレードが続けられなければ本末転倒。残るのは損失のみ・・・となってしまいがちですから。
個人的には、そうなってしまうことが一番残念なことだと考えていますので、トレード経験が浅い方や私みたいに基本メンタルが弱い人には、多少期待値を下げてしまう結果となってしまったとしても、勝率が高めの手法でトレードした方が良いかなと思っています。
出来れば勝率6割以上で損益率1.0以上。これを目安にしてはどうでしょうか?
勝率を上げる方法は?
勝率を簡単に上げる方法は大きく分けて2つあります。
1.損切り幅を広げる
2.利確目標を狭める
どちらとも勝率を上げるために損益値を犠牲にする方法です。
私の経験としてはコレをやると、期待値自体が小さくなる傾向にあるのですが、メンタルを維持してトレードを続けるためには致し方ありません。
人間は感情のある動物で、トータルで勝てたとしても負けばかりが続いたらやる気をなくすものです。
当然そんなことを気にしない鋼メンタルの方なら問題ないのでしょうけど、私の様な凡人に取ってはコツコツと勝てる手法の方が、一気にドーンと取れる手法よりもトレードを続けやすく、精神的にも楽なのです。