よく言われるじゃないですか、「FXで勝っている人は1割くらいしかない」って。

・・・ということは、ほとんどの人が負けているということになるのですが、実はそう簡単な話ではありません。

先日、レバレッジ規制の話し合いのために金融庁に提出された資料によると、FX業者の顧客の口座の増減をを期間ごとに見ていくと、増加口座と減少口座の割合はほぼ5分5分だというのです!

一時減少口座の方が明らかに大きいときもありますが、全体的に見ればそう大差ありません。
ということは、勝っている人は1割くらいしかいないというのは嘘なのでしょうか?

FXで勝っている人は1割くらいしかない」の真意について私の考えをまとめます。
結果から言うと、長期的に見たら1割~2割くらいしか勝ち残れないと思います。

勝ち続ける事の難しさ

上でご紹介した表では、4半期ごとの増加口座と減少口座を比較しています。

ということは、やっぱり勝ち組と負け組の比率は5分5分じゃないの?という結論にたどり着きそうですが、そうではありません。

その理由として、統計を取った各期間において実際にトレードしたが変わっているからです。
例えば、大幅に口座資金を減らした人は退場し、資金を増やした人は残ります。そして、新規に入ってくる人もいます。

このように、市場参加者がめまぐるしく変わるため、勝ち続ける人の割合はこのような統計では求められません。

本当の勝ち組がどれくらいの割合でいるのかを知るためには、100人以上の決まったトレーダーの口座変動を長いスパンで見ていくしかないでしょう。

増加口座と減少口座の増減金額は全く同じではない!

この統計では、一定期間内における顧客の口座金額が増えたか減ったかで見ています。
1円でも増えれば増加口座に一票入りますし、1億円減っても減少口座として一票入るだけです。

そうです。
いくら増減したかは考慮に入っていないのです。
例えば、ある人のトレード結果が2018年の第1四半期で1万円のプラスだったらこの期間は増加口座となり、第2四半期で10万円のマイナスだったらこの期間は減少口座になります。

でもトータルにすると負けていますよね。
増加口座で増加した金額のトータルと、減少口座で減少した金額のトータルを合わせると、きっと減少口座で減少した金額のトータルの方が大きくなるはずです。

その理由はプロスペクト理論
人間は損失の苦しみが嫌いで損切りが出来ない。
含み損のポジが長く続くと、段々と気楽になって更に損切りできずに塩漬けする・・・というヤツです。

このやっかいな性質のおかげで、トータルではマイナスになりやすいのです。

やはり勝ち組は少ないはず

増加口座と減少口座のトリックを暴いてみました。(暴くほどではないけど)
毎年こういった統計が出るのですが、実際アテになりません。

前年調子が良くても翌年に負ける事なんてザラです。
スイングでもデイでも年単位で結果が違うのは当然のこと。

こう考えていくと、年単位で勝ち続けている人は多く見積もっても2割以下じゃないかと思います。

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